評論 詩 生きる 死 2025.07.09 【詩六篇】「祖父母 父母 弟 旅立ちの準備 遺言だけでいい 事実・存在だけでいい そんなものしか残せない」 落葉松 落葉松を植えた 将来の為 何になる 焚き付けの薪 無心な作業 握り飯で未来を想った 老いて何のための作業だった
小説 『浜椿の咲く町[注目連載ピックアップ]』 【第13回】 行久 彬 「何をしても俺の勝手や。食わして貰っている身で偉そうに言うな」誕生日に発覚した夫の浮気。お祝いの準備をして待っていたのに… 【前回の記事を読む】「歳かねえ…腰辺りがキリキリ痛いんや」と、よく腰を叩くようになった母。病院に連れていくと、膵臓に手遅れの癌が…「ねえ、覚えている? 随分昔のことだけどお父さんの葬式のとき、お母さんはどうして泣きもせずずっと怖い顔をしていたの?」一人苦労を重ねて来た母には決して触れてはならない話題だったかもしれない。そう言ってしまった瞬間、美紀は智子が怒り出すのを予想した。しかし、そう訊かれ…
エッセイ 『Return Journey[注目連載ピックアップ]』 【第18回】 福井 研一 「何処の病院でも同じだよ」最後までムカつく病院だった。新しい病院でALSの経過を話せるか不安だったが、新しい担当医は… 【前回記事を読む】さすがに大きな声で怒った。気持ちの浮き沈みが激しい彼女は、バイトを辞めたその日「もう生きる価値がない」と言って…風の強い日だ、私は信号待ちをしている。私の左手には携帯電話が握られている。人通りは普段に比べれば少ない、昼前のスクランブル交差点。デジタル気温計は9℃と表示されている。突然大きなクラクションが鳴った。私はビクン!と大きくリアクションをし、左手の携帯電話を落とす、両隣の…