コラム⑥
雷鳴頭痛
雷に打たれたような突然の激しい頭痛を雷鳴頭痛といいます。気象現象の雷とは関係ありません。雷鳴頭痛はくも膜下出血の特徴とされています。しかし、くも膜下出血でも頭痛の軽いケース、頭の違和感などの頭痛がほとんどないケースもあります。
「饅頭を食べたせいで頭痛がしてきた」という患者さんがおられました。発生時の状況を言えるということはあるいはと考え、検査をしたらくも膜下出血でした。
逆に雷鳴頭痛でもくも膜下出血のない例があります。
その代表が可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS:Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome)です。脳の血管障害を疑って画像検査を行っても頭痛の原因が見つかりません。1~2週間もすると反復する激しい頭痛は治まってきます。
このときにMRA検査(磁気共鳴血管撮影法)をすると血管のけいれんが見つかります。ふつう頭痛が治まってからは検査をしないので、長い間、このような頭痛があることがわかりませんでした。
雷鳴頭痛のうち、入浴時に起こる場合を「入浴関連頭痛」といいます。シャワーを浴びただけでも激しい頭痛が誘発されます。このタイプの頭痛は日本から発表されました。
RCVSは片頭痛もちの方に多いといわれています(40%は片頭痛もちに発生します)。RCVSはMRA検査をしないとわからない病気です。「頭痛に限らず、突然の頭の異変を感じたら画像検査のできる専門施設にできるだけ早く受診」、この原則を忘れないでください。
