【前回記事を読む】「あーしと一緒に旅しない?」冗談みたいな感じで誘ってみたが、食い気味で「やだよ。足手まといだ」…失礼過ぎない!?

第二章 旅立ちと仲間

突如現れたその人は

翌朝

目が覚めると、もう朝方で、眠い体を起こしてあたりを見回した。

「あれ、ログは?」

どこにもログがいない。

まさか、もう出て行った? さよならも言わずに?

「……あのクズ、誘わなくて正解だったな」

普段は心のうちにしまっている暴言が口に出てきて、いらいらしながら着替え始めた。すると、突然地震のような強い衝撃が響いた。ティーナは小さく悲鳴をあげる。

その衝撃音は、公園のすぐ近くから聞こえた。

「なんなの、朝から……!」

ぱぱっと支度をして衝撃音のほうへ向かってみると、そこには

「嘘でしょ……」

昨日の数倍大きいアッシュウルフが現れていた。ログは傷を負っていて劣勢のようだ。

「ックソ、なんなんだよ、こいつ!!」

アッシュウルフの体には切り付けられた跡があり、ログはティーナが起きるずっと前から戦っていたようだ。咄嗟に、ティーナはログの方へ駆け寄ろうとする。

「ログ!」

ログは一瞬目を丸くした。しかし、すぐにティーナに向けて怒鳴った。

「ティーナ!? なにやってんだ、早く逃げろ!」

ログはティーナのほうによそ見をしていた。そのせいで、背後から来る相手の打撃に気がつかず、そのまま殴り飛ばされた。

「ゔっ!」

「ログ!」