【前回記事を読む】「僕が誰だかわかりますか?今日はあなたに会いたくて参加しました!」高校時代に告白してきた人との再会に体育館がざわついた。

第1灯目 ふたりの渚に恋の予感?

場所は変わって富山駅付近の飲食店の中。お姉さんは親友である麻衣の同僚らと共に席に座り、4対4の合コンがスタートした。男性陣の自己紹介から女性陣の自己紹介となり、最後にお姉さんの順番になった。

「白石渚です。高山市在住で、今日は麻衣に誘われて来ました。よろしくお願いします」

しばらく雑談が続き、麻衣がトイレに行くタイミングでお姉さんもトイレへ行く。

「ねえ、男性が全員年下ってどういうチョイスなの?」

お姉さんは麻衣に向かって文句を言う。

「オッサンばっかりだったらもっと文句を言うくせに……贅沢なこと言わないで!」

「私は数合わせで来たんだからね。途中で帰るから……」

「そんなこと言って良いのかしら。もっと素直になりなさいよ」

「やっぱり合コンとかに来るような人ってさ、なんとなく軽薄そうで……」

「アタシたちは来年いくつになるかわかってるよね。元気な年下の何が問題なのよ!」

麻衣から指摘されて、お姉さんは冷静さを取り戻した。

「あのさ、麻衣は気に入った人っているの?」

「まあね、アタシの真向かいに座っている西原 (にしはら)さんかな」

「ふ〜ん。ああいう人が好みなんだ」

「アンタはどうなの?」

「右端の人ってさ、スポーツマンタイプよね。まあまあって感じかな」

「なんだ、ちゃんとチェックしてるじゃない。お互いに頑張りましょうね」

麻衣は気合いが入っているようだが、お姉さんは自分からアプローチなんてできそうもないと思っている。