{ある日の部活(白川朗子)}

「今日は陸トレだって本当?」

シーズン序盤の半ドン後の練習は、プールの水がとても冷たい時は…普通に冷たい時は泳ぐのだが…、陸上トレーニングだ。

深田君が言う。

「うん、天気はいいけど水温がやたらと低いので、寒がりの白川に敬意を表して陸トレ。ランニングはいつもの井の頭コースで決定」

そこに、西尾君がいつもの調子でニヤニヤしながら言う。

「こんな天気に井の頭まで行って、ボートにも乗らずに帰ってくる青春は寂しくねえ? 白川、公園に着いたら2人でボートに乗らない? あっ、あのボートに乗ったアベックはお別れか」

「西尾君となら疎遠になりたいくらいだから、今日だけは一緒に乗ってあげようか?」

「白川、冷てえ。プールの水より冷てえ」

深田君がそろそろおしゃべりを打ち切りなって感じで「公園に着くまでに決めたらいい(笑)。さあ準備」と言ってくれたので、

他の部員も含めて、それぞれの更衣室でエンジ色の部ジャージに着替えて、校庭に全員集合し、部伝統のウォーミングアップ体操を、みんなで掛け声を出して行ってから、井の頭公園まで片道約2.5kmの往復走に出た。

 

👉『今のこのままの日本でいいのか』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】ラインで噓をつく妻。「何かおかしい…」謎と疑問が疑惑に変わり妻の車にGPSを付けてみると…

【注目記事】失踪する3ヶ月前の交際2年目の記念日「9月29日」にプロポーズ。その翌日に婚約者が失踪…?