僕が超高圧ボルトの雷に打たれたのはその時で、間近で見るその瀬菜さんの笑顔は僕が人生を終えるまで一生忘れられないと思った。
一緒に飲むことになり、最後のデザートがみんなの感心をさらっていたけど、僕は向かいにいる瀬菜さんが気になって気もそぞろだった。ほかの二人もカワイイ子なんだけど、僕はなにしろ瀬菜さんに完全にハマったんだ。
僕は姉貴たちに気取られないよう注意して、瀬菜さんをチラ見していた。僕が作っておいたデザートは、クレームブリュレと洋梨のタルト。タルト生地は冷凍の既製品を買ってきたけど、洋梨を包むカスタードクリームは僕の自家製だよ。細いローソクを立ててクリスマスを祝った。誰もクリスチャンでもないのにね。
デザートは多めに用意しておいたのが良かった。また、パーティしたいと、誰からとなく提案が出て「新年会やろうよ。ここで」となって、クリスマスの夜は終焉した。正月2日に我が家で新年会を開催することに決定したのは僕にとっては僥倖(ぎょうこう)。1週間後に瀬菜さんに会える!
次回更新は6月28日(土)、22時の予定です。
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