これに対処するには個々人が高度な知的資産を保有しシステム力を高める以外にはない。というのは「真実」は一部の経営者のなかにあるのではなく、日々現場の状況に精通している社員のなかにあるからである。

それを取り出せるかどうかは経営者の手腕にかかっている。経営者に寄りかかりすぎる経営判断はリスクが大きすぎる。

「独創」は単なる思いつきではない。あなたが苦労した先に天から与えられた恵みであり、そして社会に還元できる知恵でもある。

それは5年10年と積み重ねられた結実でもある。普遍性に裏打ちされ、さまざまな機能、広範な知見・技術を利用することによって新たな有益な価値を生む斬新さを有している。

重要なことは、自分自身が納得し満足するということが尊く、且つ価値を得る上での大前提になる。

従来、世の中は大量生産の均質な商品などの提供が力を発揮したが、これからの世界は、情報技術を活用した一対一の市場が進展し多様性の世の中に入った。

「自己満足」を他者にも提供できる環境となっている。指数関数的な進歩で進んでいる情報社会においては常識を飛び越えた発想が必要とされており個人の発想力向上が必須な状況にある。

米・英国などは論理性に強みがあるが、その理由には、ギリシャ・ローマ文明を取り込んだスコラ学の存在にも要因があり、「大学制度」は教会法が原点なのである。

ヨーロッパ中世は、十字軍のときイスラム文明をも取り込んで科学技術の基礎を形付けており、ルネッサンス、宗教改革を経て、連綿と、その資本主義的精神と多様な思想を受け継いできている。