【前回の記事を読む】「VRChat」というプラットフォームを一言で表すと「(表現において)ハードルは高いが自由度も高い」
2 メタバースを眺めてみた(市場分析)
2021年の市場動向と分析
【当時の売れ線商品】
2021年7月、VRChatを本格的に初めて1ヵ月の自分は、アバターの見た目をカスタマイズ・コーディネートすべく、当時VRChat界隈ではメジャーだったECサイト注1「BOOTH」を毎日のように見ていました。
この「BOOTH」は、いわゆるネット上のフリーマーケットのようなもので、ユーザーは物品・ダウンロード商品を自由に出品販売・購入することができます。系統としてはサブカルチャーに関する商品が多い印象です。
何故自分がこの「BOOTH」で探していたかというと……。日本のクリエイターが制作した、VRChat対応・最適化されたアバター、衣装、その他関連アイテムが多く出品されていたからです。
あくまで2021年当時の主観・予測的な話になりますが、売上&個数的ないわゆる「売れ線」としては、
1位 アバター
2位 衣装
3位 小物
※いずれも3Dモデル
という所感でした。
もちろん、所属するコミュニティや観測者の観測範囲によって主張が異なるかと思います。特に出てきそうな意見として、「ギミックやシェーダー注2のダウンロード数は当時から多かった」「ワールドアセットモデル注3もそこそこの売上になっていた」などが挙げられるかと思います。
ただ、私の考えとしては、「ワールドアセットモデルは確かに単価が高いが、制作者や利用者の数が少なく、全体として個数が伸びにくい印象」「ギミックなど非3Dのダウンロード数は確かに多いが、その多くは〝無料配布〟であったため、総出荷数やお気に入り数はあっても、それが「ユーザーにとってお金を出すほどの価値のある物」としての数であるかは疑問が残る。結論、市場としては成立しているとは考え難く『現状での売れ線』とは違うのではないか」となりました。