こうした多くの体験から、基本の重要性を改めて実感しています。定年後は一般体操の対象者に必要な内容についてノートにまとめるかたちで執筆をしてきました。一般体操に集中できる時間も増え、他領域にも視野を向けることで見えていなかったことの気づきも多く、学習意欲も沸きます。

生活に役立つ健康運動「一般体操」は、海外の世界的大会に参加して感じたことも参考になっています。

それは、人間の動きは、グローバルに共通する動きであるということです。そこから、地球人としての土台づくりの基本から、ダイバーシティ、そしてニューノーマルへの応用発展を意識するようになりました。その過程では、人間形成に必要な心身の健康づくりの土台となることを「一般体操」でも強調しています。

現場から求められる実用的な知識や動きの理解にかかる時間は予想以上に多く必要です。知識の理解のみならず理論と実践的行動の融合が今日的健康づくりに必要であると感じています。

生活環境が便利になり、身についていない基礎的機能がさらに弱く失われがちで、生きる力を育む生活動作にも影響がみられます。動けない、動かない、身体活動内容の不足が増えて、やがてそれが原因となり生活習慣病につながるという過程を懸念しながら微力を提供しています。

生活の場で、時間も費用もかからない、生活動作をおろそかにしない生活密着型の身体活動を自分自身が実践して(実践躬行)、身体活動不足や運動不足を補って健康づくりに努め、生涯一人で自由に動けるからだを維持することの重要性を提唱しています。

生涯において予測もしていなかったことが起こったとの報道を知るにつけ、いつでも、どこでも、だれでも備えておくゆとりの健康・体力を日常生活姿勢としておきたいものです。

天災・災害や感染症のパンデミックにも免疫力を維持できる心身のバランス機能、家族や仲間にできるだけ迷惑をかけず協力できる体力、生涯における目的・目標を達成するための体力など、何事も健康・体力が行動判断する第一条件になります。

いつでも、どこでも、だれでも対応できるゆとりの体力を持って生活するには、普段の生活の中で全身運動の身体活動を継続することを疎(おろそ)かにしない生活姿勢が望まれます。

 

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