僕たちは朝起きて少しして、今日は話し合う事にした。

何故なら、お互い考えを共有するのが恋人同士と言う結論に至ったからだ。

僕はアンナの思いを知りたかったし、アンナも僕のアンナに対する感情を知りたがった。

「リィド、昨日は良く眠れて?」とアンナ。

「眠れたよ。朝も気持ち良く起きられた」と僕。

「昨日は手紙でも書いていたのかい?」と続けて僕は言った。

「書いたわ、貴方に書いたの」とアンナは返す。

「嬉しいな。読んでも良いかい?」

「どうぞ。それからこの手紙は大事に取っておいて欲しいの。例えば、財布の中なんかに入れておいてくれるかしら? 貴方のお守りになる様に書いたから」

「有難う。後で読むよ、すぐに読む」

「今日は朝、何かお食べになりたい?」

「パンとコーヒーを頼む」

「分かったわ」

アンナが朝食の準備をしながら、会話は続いた。

「アンナ、昨日深く考えたんだけど、やっぱり君とずっといたい」僕は言った。

「私もよ。きっとずっと一緒にいたのよ。生まれる前からも」アンナは応えた。

「僕は、こんな仕事をしているからかも知れないけど、君を守りたいんだ」

「幸せ」

僕は、アンナの出したパンとコーヒーを胃袋に入れた。

それから部屋に掃除機を掛けて、終わるとアンナから貰った手紙を読んだ。僕は涙を目に湛えながらも読みきった。

     

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