【前回の記事を読む】マフィアの青年が恋人に告げたこと「やっぱり君とずっといたい。僕は、こんな仕事をしているから…」
第一章 結
僕とアンナの日常は続く。
その日はショッピングセンターに出掛けていた。
「食料は買い終えたね。一度車に積んで来る」
「分かったわ。そこのソファで待ってるわね」
僕は荷物を積み終えると急いでアンナの下へと戻った。
「服でも買おうか、アンナ」
「そうね。ワンピースが欲しいわ」
「分かった」
「この店のワンピースはどうだい?」良さげな店を見つけて、僕が語り掛けた。
「とても良いわ、どれが似合うかしら」とアンナ。
「これかな?」一着着てアンナが言う。
「似合うよ。黄色いお花がかわいいね」
「それともこれかな?」着替えてアンナが言う。
「青いワンピースは爽やかだね」
「やっぱりこれ?」赤いワンピースに身を包んだアンナが聞いた。
「美人が目立つね」
「どれが良いかしら」
「僕は赤が良いと思うけど」
「私これを着て海へ出掛けたいわ」青いワンピースを指差し、アンナが言った。
「じゃあこれにしようか」
「うん」
「タグ切って貰えますか?」僕が店員に言った。
「いこうか、海」僕は言った。