新築か、中古か
住宅の平均寿命は、アメリカ四十四年、イギリス七十五年、日本は二十六年だという。
基本的に石で造るか、木で造るかの違い、あるいは生活スタイルの違いがこの数字に表れている。地震があるかないかでもずいぶん違うのだろう。
二酸化炭素排出削減という観点では、住宅も新築するよりリフォームしながら住み続けるのがよいのか。しかし隙間風だらけの古い家より高気密の新築家屋のほうが、暖房効率の点では電気の消費は少なくて済む。はたしてどちらがよいのか。
ここ数年来、毎年燕が渡ってきては軒先で雛を育てて巣立っていく。今年も早々やってきた。雛も育ってくると、巣の中で満員電車なみのぎゅう詰め状態で餌を待っている。
五羽もいると、餌をもらいそびれる要領の悪い雛もいるが、無事全員巣立っていくと、安心するやら寂しいやら。
今年はなぜか別の燕が遅くにやってきて、立派な巣を尻目に新たな巣を造り始めた。人間の通り道の真上なので、古い巣の隣に急遽土台となる板を打ち付けてやると、せっせと泥と枯れ草を運んできて、新しい住まいを造った。
が、打ちつけた板が軟弱すぎたか、少し傾きかけて、巣造り中断。人間の浅知恵でガムテープを貼ったり、支え棒を追加して、耐震補強を施した。作業が終わると、さっそく入居。新しい巣でただ今抱卵中。
また巣立ちまで見守る楽しみを提供してくれている。
(二〇〇八・七)
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