これと同じ事が中国と台湾の関係に見られます。中国の習近平主席は、台湾の統一を当たり前のように、それも厚顔な表情で公言しています。一方、中国と政治、経済体制の異なる台湾は、自国の自主独立を主張しています。

中国が武力で台湾統合を強行すれば、中国はいまのロシアと同じように諸外国から四面楚歌に陥り、世界の非難の的になり、アメリカからも強い反発が予測されます。

中国人は昔から自国を中華と自称し生き抜いてきています。一方で中国の指導者は、中華思想にプラスして、儒学政治で国内統治を行っています。儒学政治の要諦は「仁が伴う博愛の政治理念」だと言われています。

だが現況の指導部の政治は、仁に基づく博愛政治というよりもネットで人民を監視し、人民を統治する政治を行っている処があります。中国経済が上手く作動している時は儒教政治に基づく統治は、上手くゆくと思います。

経済はいつも順調にいくという保証はありません。経済が上手く作動しなくなれば、人民が持つ中華思想に火が付き、儒学政治での統治は難しくなり中国社会が混乱に陥る事は容易に想像出来ます。

隣国にある海洋国・日本は、軍事・人口大国の中国と上手く付き合う必要がありますが、独善的な中華思想に敏感に反応する事なく、一定の距離を置いて中国と付き合う必要があると思います。