発見が遅れる課題

ナルコレプシーの好発年齢は十〜二十代で、十四〜十六歳がもっとも多いと言われています。この年齢はまさに中学生〜高校生の頃です。

日中の居眠りは学校にいる時間ですが、ナルコレプシーのことを知っている学校教員はまだまだ少なく、教育現場で発見に至るケースは決して多くありません。

子供が学校での居眠りを親に言わなかったら、親もまさか病気を抱えているとは思わないため、当然ナルコレプシーの発見は遅れるでしょう。社会人になってから、あまりに寝てしまうから調べてみたら病気だったということも珍しくありません。

さらに厄介なものがナルコレプトイド性格変化です。ナルコレプシーの症状により、何度注意されても眠ってしまい、起きていたくても眠ってしまいます。

他の人と比較する等を繰り返していく中でナルコレプイド性格変化は、自信を喪失し、消極的、受動的、内向的となり、好奇心が減少し、注意力の持続、物事への執着等が苦手となり、仕事や対人関係の張り合いもだんだん失われがちになってしまうものです。

このようにして発症してから長い間気づかれず、発見が遅れることで本人の性格を変えてしまうほどの影響を及ぼしてしまうのです。少しでも早期発見ができるように、患者会としても学校現場への啓発活動には力を入れて取り組んでいます。

次回更新は5月21日(水)、21時の予定です。

 

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