今になって思い返すと、当然睡眠不足もあったと思いますが、ストレスから逃げるための無意識での防衛だった気もします。病気と分かる前なので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、寝ている姿だけを見て、怠けていると考えたり、意地悪をするのはやめていただきたいですね。

寝てしまうことだけでもかなりのストレスになるのに、起きてからも周囲からのストレスを感じるのは、精神的にもかなり負荷がかかります。もしかしたら、身体的・心理的に大きなストレスを受けたことがナルコレプシー発症のきっかけの一つになったのかもしれませんね。

一方、学校での生活では、先ほどお話ししたように、もとから落ち着きがなかった私が、授業で居眠りをしてしまうため、先生からの注意や指導も増え、先生の接し方がどことなく冷たくなったことを覚えています。

今でも覚えているのが、英会話の授業での出来事です。英会話の授業中に眠ってしまいました。目を覚ますと周りには先生も含めて誰一人いなく、私一人教室に残されていました。起こしたけど起きなかったと言われましたが、まったく記憶にありませんでした。

起きた時には、これまでに経験したこともないほどの静寂に包まれた教室の恐怖と寝てしまったことに対する罪悪感を覚えました。

今になって考えると、ナルコレプシーの症状が出ていたのかもしれませんが、私自身も受験勉強のために夜の塾に通っていたから昼間に眠くなってしまうのか? 程度にしか考えていませんでした。

受験勉強のおかげでテストの点数もほぼ満点だったため、居眠りを問題視しないのは当たり前かもしれません。また、もとから落ち着きがなく先生から叱られることは多かったため、居眠りをして叱られても小学生の私にとって深く考えるきっかけにはなりませんでした。

冷静になって思い返せば、小学生で授業中に寝ている友達は一人もいませんでしたし、不自然だと気づくきっかけはあったと思います。

もしあなたの周りで、よく眠っている人がいるのであれば(それが診断前であれば尚更)その人を見てサボりや怠けを疑うのではなく、「しっかり眠れているのかな?」と少し心配していただけたらと思います。

仮に病気でなかったとしても、日中に寝てしまうようであれば、夜間の睡眠が十分に取れていない可能性が高く、改善できる場合もありますので、サボりや怠けを疑うのはその後でよいのでは?と思います。