次に3番目の「人生100年時代の第2の人生において何をなすべきか?」という問題である。
これも熱力学第2法則エントロピーで説明可能だ。まず138億年前に発生したこの宇宙の大法則はいつの日かの熱的死への目的指向的な振る舞い、つまり散逸、それも生命体による散逸駆動適応も含むエントロピー増大行為である。
定年退職60歳時点はある面、静的、秩序ある状態と考えられる。今まで経験したことのない大転機に立っているわけで、途轍もない世界、あてがいぶちのない世界について、なんとなく気づきが生じ、頭が真っ白な状態かもしれない。
ここでまず目的志向的発想を持ち出すのだ。60歳時点での目的志向とはキャリアビジョンでありキャリアパーパスである。
再雇用の終わる65歳以降のこと、70歳台・80 歳台・90歳台のキャリアを如何に顕在化するかを考えるのである。この行為こそが散逸・エントロピー増大行為である。
目標指向的に、再雇用終了の65歳時、70代時、 80代時、90代時のあるべき姿、なりたい自分のビジョンとパーパスを懸命に考えるのである。60代以降10年毎に区切ってビジョンを立てるのは、おそらく人生初めての経験になるはずだ。
何故なら今の我々が人類史上初の人生100年時代の第2の人生を生きているからである。となれば10年毎のステージは、特に80代ステージ時、90代ステージ時には何も具体的にきっちり決めなくてもかまわないと思う。
私の経験からも第2の人生を活動しているなかで新しいパーパス・ビジョンが自然に浮かび上がることがあった。大切なのは抽象的でも形而上的でも構わないので、とにかく思い描く行動をすることである。
パーパスとビジョンが決まったら次はそれを実現するための活動行為である。それは4番目の第2の人生でどのような考え方・プロセス・技能を必要とするかという問題になる。
具体的に述べると、最初はまず対自活動とりわけ継続学習になる。60歳以降の第2の人生は個を軸に自由にフェーズ・時間を決められる。貴重な一人の時間が多く取れる。
そこでは自分の知識・スキルのブラッシュアップ・リスキリングを激しく集中して行う。
自分の新たなパーパス・ビジョン達成のため、学習が専門的になるときもあるが、なるべく学際的学習に心を配り視野を広げ、柔軟かつ多様な対応力を磨き上げるべきと思う。
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