くっきりと爪のかたちをとどめたり
獣の姿を考えてゐる
春近くむれる牡鹿ら足爪に
雪かき分けて笹の葉を食む
人をらぬ野に牛むれて草を食む
果てしなき野を過りてゆけり
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
くっきりと爪のかたちをとどめたり
獣の姿を考えてゐる
春近くむれる牡鹿ら足爪に
雪かき分けて笹の葉を食む
人をらぬ野に牛むれて草を食む
果てしなき野を過りてゆけり