山川の激つ堰堤身をそらせ
天をめざして跳ぶ桜鱒
海ぎはの砂丘に生ふる水楢の
うねり傾き吹雪に耐ゆる
朝見れば夜行の獣の足跡の
ひとすぢ続く雪はらの上に
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
山川の激つ堰堤身をそらせ
天をめざして跳ぶ桜鱒
海ぎはの砂丘に生ふる水楢の
うねり傾き吹雪に耐ゆる
朝見れば夜行の獣の足跡の
ひとすぢ続く雪はらの上に