俳句・短歌 歴史・地理 歌集 日本列島 2020.08.27 歌集「秋津島逍遥」より三首 歌集 秋津島逍遥 【第11回】 松下 正樹 “忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す” ――日本の面白さに旅装を解く暇もない 最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。 尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 山川の激つ堰堤身をそらせ 天をめざして跳ぶ桜鱒 海ぎはの砂丘に生ふる水楢の うねり傾き吹雪に耐ゆる 朝見れば夜行の獣の足跡の ひとすぢ続く雪はらの上に
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』 【第2回】 武 さき 「もうあなたを愛せない!」別れを切り出した夜、主人は何も言わず私のベッドに入ってきて... 「明日から行くから」と。私は無視して二階に上がった。主人がシャワーから上がって寝室に入ってきた。主人に背を向け寝ているふり、主人が私のベッドに入って来た。「何!」大声で言い放った。主人は何も言わず私を抱こうとした。「何を考えているの!」「やめて!」主人は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしている。「放して!」言っても手を止めない。凄い力。初めてだ。首にキスをし、胸をつかんでくる。…
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第3回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 ベッドにずっとへばりついてはおられん、あらゆる犠牲をはろうてベッドを脱出するんがいっちゃん理性的な判断やと思うものの… 手始めにグレゴールは下半身をベッドから出したかったけど、この下半身をまだ見てもおらんので正確なイメージがつかめんし、動かすんも難儀やと分かった。とてつもなく時間がかかった。グレゴールはしまいにいらち来て1 力の限りやみくもに体を前に突き出したが、さあ方向を間違うたもんやから足側にあるベッドの支柱にしたたかぶっつけた。このとき感じた燃えるような痛みでグレゴールは下半身こそ目下のところいっちゃん敏感…