「そうか、そのようにしてそちは余の母を陥れたのか。陥れられる苦しみはどうだ」
「恐れながら、仰ることの意味が分かりません。私が王様の母君を陥れる等、どうしてそのようなことがありましょうか」
死に物狂いで無実を主張するジャグァンを無視し、突然門番の兵を呼び付けました。兵が駆け、無言でその兵が持っていた刀を抜き取ったかと思えば、なんとユンはジャグァンを一切の躊躇もなく、切りつけたのです。
明確な殺意を持って深々と。大量の血しぶきを吹き出しながら膝を着き、倒れていくジャグァン。
その場にいた全員の思考がようやく追いつき、みるみる血の気が引いていきました。それにお構いなく、ユンは身の毛もよだつ哮咆(ほうこう)を上げました。
「下らぬ陰謀を立てる輩、余の母を陥れた身の程知らずは、全員この手で直々に切り殺してやるから楽しみにしておれ。次はお前達の番だ。分かったな」
血を纏った刀を投げ捨ててユンは正殿を出ていきました。その日から言葉通り、母の死に関係した者を有無も言わせずに殺し、ユンに反対する人間達も当然拷問にかけられ、絶望の淵に立たされました。
ヨウは王様の思うままにこのままお進みくださいと肯定し続けました。如何なる時も自分を認めてくれるヨウにユンは更に惑溺し、女遊びに王室の財源にまで手を出し始めました。
ユンの贅沢三昧のために、未だ凶作が明けていないにも拘わらず、年貢を元に戻すどころか更に増やしていきました。
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