2.もしあの世がないとしたら、自殺についてどのように考えるか

2.1 命(意識)と自殺

自殺を考えるほど生きていることが非常につらい状態

本能を理解することで、そのつらさが少しでも軽減する

津村:現実にこの世では多くの命が自殺で失われています。

学生:悲しい現実ですよね。

津村:奇跡の命(意識)を、自分で絶つことは、私は大変もったいないことだと思いますが。しかし、本人はそれ以上につらい思いをしていることかと思います。生きていることがつらいと、自殺に進んでしまいます。うつ病などでは、生きていることが非常につらい状態になることがあります。

学生:それがトレーニングでなんとかなるのですか?

津村:残念ながらそんなに簡単ではありません。うつ病でつらい思いをされている方は、脳内物質のバランスが大きくくずれているケースが多いことが知られています(参考図書1 )。その脳内物質のバランスを取り戻すために、抗うつ剤などの薬物療法は非常に重要です。

学生:私の友達にも、うつ病になり、薬を処方してもらって数か月で治った人がいます。

津村:よかったです。でも、それでもうつ病による自殺が多いということは、そういう医療にうまくつなぐことができていない人がたくさんいることも一つ大きな理由になります。

学生:確かにそうですね。


1.DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル
American Psychiatric Association(原著)、日本精神神経学会 (監修)、 高橋 三郎、 大野 裕 (監訳)、医学書院、2023

 

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