研一が急に話題を変えた。

「ヒミコって知ってる?」

 「神秘的な力を持つミコ。そして女王だった人よね」文子が答えると、

「そう、越(こし)の国のヌナカワヒメもヒミコのような人だったと思うんだ。それも、縄文時代(じょうもんだい)から代々(だいだい)いて、神話のヌナカワヒメのモデルになったんじゃないのかな」いつのまにか、時間が過ぎていた。

文子がしめくくった。

「おもしろそうね。今日までのことは、私が次までにまとめてくるわ」

八月二十八日。

文子がホチキスで留めた数枚の紙を、みんなに配った。

「すごいね。よくまとまっている。これじゃあ、ナンデモ研究会の話しあいが終わると同時に、自由研究のレポートができあがっちゃうよ」

悟がびっくりしたように声をあげると、文子はこともなげに、バッグからノートパソコンを取り出して、テーブルの上に置いた。

「もう時間がないからね。今日は話しあいながら、同時にパソコンを打つわ。さあ、始めて」

驚(おどろ)いているみんなに、文子はさいそくした。

 

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