2-2.筋トレは最強の向精神薬

鬱と診断されれば、まず間違いなく、向精神薬を処方されるだろう。

そして、薬ではなく筋トレで何とか精神を保っている、こんな人の数は実は多い。私はそんな人々をたくさん知っているし、私自身もそれに含まれる。

老若男女、どんな立場でも、それぞれの不安やストレスがある。そして、そのストレスの質と量は、人間本来の許容量を大きく上回っている。打たないと、飲まないと、吸わないと、買わないとやっていられないのだ。

どうしてもできないこと、苦手なこと、精神的に落ち込んでしまうこと、これらを記載された目に見えない手帳を皆それぞれ持っている。それは決して恥ずべきことではない。が、現実には問題が噴出して、一時的にでもそれを忘れたい方も多いだろう。

だが、違法な薬物の使用は法律で禁止されて、露呈すれば逮捕される。

酒やたばこは合法ではある。しかし、飲むほど、吸うほど、お金は減る。また様々な疾患や生活習慣病の罹患リスクは確実に高まる。

合法的に格安に手っ取り早く気持ちよくなって、何とか自我を保つ。こんな方法はあるのか? ある! それが筋トレだ。何とか自我を保ち、日々生きていくには、筋トレしか道は残っていないのだ。

筋トレを始めれば実感できる。

筋力、筋量、筋持久力、柔軟性など、身体の無数の力がどんどん開発されて、成長していくことを。身体だけではない、脳も含めた神経回路、ホルモンなどの内分泌系など、頭から足先まで全てだ。

老化に抗える。そして、第三次、第四次成長している自分、という実感が得られる。筋トレ開始直後の初心者ボーナス期(※)は、「このまま永遠に続く命が得られる」という感覚を体験ができるのだ。

※初心者ボーナス期:筋トレを正しく実行すると得られる、筋力・筋量の高い成長時期。半年から、取り組み内容やその人の素質によっては2年くらいまで続く。