【前回の記事を読む】美醜入り混じるタージマハル。到着するやいなや声をかけてくる観光案内人、一息も付けぬ見学を強いられ.....

第5話 シギリヤロックは見えない

シギリヤロックに登ると、シギリヤロックは見えない(スリランカのことわざ)

中学校の地理で習ったときは、セイロンという国で、首都がコロンボだった。紅茶が有名で、日本と同じ島国。インドの南東にポツンとある小さな国で、今はスリランカという。シギリヤロックを知って、間近に眺めてみたくなった。

2018年5月8日

コロンボからシギリヤに行くにはいくとおりかの方法がある。一番簡単なのはタクシーだ。料金は交渉次第だが、200ドルも出せば2泊3日乗り放題でコロンボまで戻ってきてくれる。快適で心配もないが、面白みには欠ける。

次はバス。ダンブッラまで行って乗り換える。まずダンブッラまで5、6時間。かなりぎゅうぎゅう詰めのバスに乗る。荷物は頼めばバスの後ろに積んでくれる。ダンブッラは終点ではないので、途中下車しなければならない。普通のバスに乗れば、ここまでは100円くらい。町あり、山ありで車窓は見飽きない。

まあ、運よく窓際に座れればの話だが。ダンブッラからツーリストバスはエアコン付きで快適らしいが、見かけないし、多分本数がずっと少ない。路線バスもあるらしいが、これは一日に1本で、まず乗れない。だからここからは三輪車に乗るしかない。たった30分だが、10ドルはする。仕方がない。乗ってみれば、風を受けて気持ちいいことこの上ない。

そして私が行った方法は列車とバスを使う方法。コロンボからキャンディまで一日5、6本のディーゼル車が出ている。8時発の急行の2等車に乗れば、1時間遅れで出発してもお昼前にはキャンディに着く。座席もまあ快適。

何より素晴らしいのは車窓の風景だ。水田あり、畑あり、ジャングルあり、岩山あり、突然のトンネルもスリリングだ。外国人観光客が多いので、写真撮り合戦の様相。これで600円はお値打ちだ。バンコクから出ているオリエント急行に引けは取らない風景である。ちなみにオリエント急行に乗ると最も安い客室でも2泊3日で3000ドル以上はする。

キャンディに着いたら5分くらい歩いて戻るかっこうでバスターミナルがある。すぐに誰かが声をかけてくるので、ダンブッラといえば、一番早く出るバスに案内してくれる。声をかけてくるのは車掌さんで、荷物もバスの後ろに積んでくれる。車掌さんは乗った人数で収入が決まるらしく、行き先を連呼し一人でも多く乗せようと頑張っている。これはネパールやインドも同じ方式だ。