しらじらと風に巻かれて散るさくら
歩道に寄りあひ踏みしだかるる
雨の日を散りつぐ桜びっしりと
花びらつけし自動車が走る
街川に流れやまざる花筏
とどむるすべなき春を惜しまむ
*花筏 水面に桜の花が散りしき、筏のように流れていくさま。
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
しらじらと風に巻かれて散るさくら
歩道に寄りあひ踏みしだかるる
雨の日を散りつぐ桜びっしりと
花びらつけし自動車が走る
街川に流れやまざる花筏
とどむるすべなき春を惜しまむ
*花筏 水面に桜の花が散りしき、筏のように流れていくさま。