【前回の記事を読む】「これで室町幕府は崩壊した。元亀の年号をすぐさま改元する!新元号を『天正』と改元するよう、朝廷に奏請せよ……」と命じた信長

第4章 朝倉・浅井家の滅亡

おふく

この年の八月に室町幕府を倒し、元号を天正に改元した信長様は、浅井長政を討ち滅ぼすべくご出陣。浅井家支援で出陣していた朝倉軍は、義景の優柔不断と兵士の厭戦気分から、支援に来ていた小谷の砦を放棄、嵐を利用し突如撤退。それを予測した信長様は、朝倉勢を猛追してそのまま越前の一乗谷まで追い詰めたのです。

北陸の都といわれた由緒ある朝倉家は、これで滅びたのでありました。信長様は、取って返して、小谷城の浅井長政を襲撃。事前に工作を命じられていた木下様の働きで、ついに小谷城は陥落しました。

1.朝倉義景の最期

信長

「者共、いよいよ朝倉・浅井と決着をつける時が来た。今度こそ彼奴らを根絶やしにしてくれん。攻めるに当たりそれぞれの存念を申してみよ」

勝家

「小谷を攻めれば、必ず朝倉が出てきます。されば、これを合流させないで個別撃破することが肝要かと存じまする」

秀吉

「左様、それは拙者にお任せください。既に小谷城との境にある、ここ虎御前山に堅固な砦を築きましてございます。ここを拠点に、我が軍の主力五万を配備し、別に小谷城を三万で取り囲めば、朝倉は動けません」

信長

「朝倉の動きはどうじゃ……」

光秀

「朝倉義景は去る七月十七日に一乗谷を出発、三日ほど前に近江国柳ケ瀬まで進出し陣をしいており、総勢二万ほどと思われます」

秀吉

「しかし、物見の報告では、朝倉勢の中にいつも出張っている朝倉景鏡(かげあきら)、魚住備後守らの身内衆が見当たりませぬ」