信長

「光秀、何故だと思うか」

光秀

「はっ、朝倉は以前の比叡山焼き討ち以来、度重なる浅井への支援遠征に疲弊し、家中の結束が乱れておるのではないかと思われます。景鏡や魚住は戦上手ですが、義景は全く戦を知らない公家侍にて、今回の遠征はあまり統制が取れていないと思われます」

信長

「であるか、小谷の浅井はどうか……」

秀吉

「浅井家は、本丸に長政率いる主力部隊二千、二の丸に父の久政が率いる部隊一千が籠り、その連絡通路である京極曲輪(きょうごくくるわ)に五百おりますが、先日そこを守っている京極曲輪の家老浅見対馬守、同じく前面の雲雀山を守っている浅見大学助の二名が、命と引き替えに降参して参りました。

また、地元の猟師から、小谷城の裏山から城に通じる獣道のあることを聞き出しました。従って拙者が少数の精鋭部隊を率い、この猟師の案内で獣道を通り、裏山から小谷城の三の丸に攻めかかれば、浅見対馬守と浅見大学助が呼応して、中門を開くことになっておりまする。

これで小谷城は本丸と二の丸が完全に分断され、我らが内より大手門を開きますので、上様率いる本隊が城内になだれ込めまする。そして、まずは二の丸の久政を攻め落とせば、本丸の長政のみとなりまする」

信長

「でかしたぞ、秀吉。すぐに取りかかれ。本丸には市と子供達がいる。どうしたものか、やむを得ぬか……ところで今日は大荒れの雨風であるな。諸般の情勢から勘考するに、今夜あたり朝倉は必ず動く、皆夢々油断するでないぞ。儂は一まず本陣に帰る……」

⇒まずは二の丸の久政を攻め滅ぼし、その後長政との一戦じゃ。長政が市を手放すとは思えない。市許せ……。