いろいろな依存症がありますが依存症の怖いところは、治療薬が基本的にないことです。行為自体を自分でしているので、自分が本気でやめようと意志を持って取り組まなくては治りません。
これらの行為にも脳が関係しています。依存を起こす行為は、それによって幸せな気分になったり、逆に不安な気持ちを感じなくさせます。
しかし、それは一時的なものです。止めると必ず禁断症状があり、その不安な気持ちや焦りや苛立(いらだ)ちから、だめだと分かっていても再び行為を始めてしまうため、依存症から抜け出すには、一生かかるといわれています。そのくらいいったん依存症になってしまうと、治すのは難しいのです。
前にふれましたが、人への依存もあります。エスカレートした時、一方的な場合はストーカーと呼ばれ、お互いに依存している場合は共依存(きょういぞん)といいます。
ストーカーの怖さについては多くの情報があると思いますが、共依存という言葉を知らない人もいるかもしれません。共依存とは文字通り、お互いが共に依存し合い、それによって二人とも悪い状況から抜け出せなくなっている状態をいいます。
共に協力や相談し、頼りあうこと自体は良いことですが、それは二人が自立した人格と意思を持っていて初めて成り立ちます。しかし、お互いの人格を支配し合っていたり、相手を支えているつもりでも、それによって実は自分自身が保たれている場合も多くあります。
そういった場合は、なかなかお互いが離れることができません。親子関係や恋愛関係、夫婦関係で起こりやすい状態です。
共依存の怖さはなかなか本人達にその自覚がないことです。相手に良かれと思ってやっている言動が、実は自分自身のためにやっていたり、逆に相手に強く要求してしまうことが多くあります。
このような状態は、あまり望ましい状態とは言えないと思います。要求されている側も、つらいのは分かっているけれど、あの人がいないと寂しいとか、あの人には私しかいないからと、関係を切れないことが多くあります。
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