第一章 元気になるってどういうこと?

精神の病気について思うこと

精神の病気自体で生死に直結することは少ないです。しかし怖いのは、精神が安定していない時に起こる、自分を責める行為や、周りに対する被害です。

そして一番危険なのは、自分はいらない存在だと考えたり、自分や周りを憎んだり諦めたりして「死」を選ぶことです。

そうならないためにも、まずは精神の病気については、正しい病気の理解とその人なりの対処法を見つけ、ゆっくりでも病気を受け入れて、付き合っていく気持ちが大切だと思います。

最近はメンタルクリニックや心療内科といった病院をよく目にします。また精神科の病院は以前からあります。これらは何が違うのか知っていますか。

まず精神科から紹介すると、その名の通り精神疾患を治療する病院です。入院施設があったり、比較的大きな病院がこの科を掲げています。

一方最近よく目にするメンタルクリニックや心療内科は漢字が意味するように心が疲れたり苦しい人が通院し、主に内科的な薬によって治療を行う病院です。

よく精神の病院に行くのが怖いとか、薬を飲むのが嫌だから病院に行きたくないと聞きます。しかし多くの人は熱やのどが痛ければ、内科の病院に行って薬をもらいます。目や耳、歯、心臓などについても、それぞれの専門病院に行ってなるべく早く治そうとします。

心のつらさも同じです。早ければ早いほど軽症で、アドバイスだけで治る場合も少なくありません。心療内科に通っている患者さんは、ほとんどが普通に仕事や家事を行っている方々です。

心療内科に行くことは、最近では比較的抵抗が少なくなっています。クリニックの先生は話を聞いてくれ、適切な薬の処方をしてくれます。カウンセリングが併設されている病院もあります。

多くの人は心について自分に厳しく、心が弱いのは、自分に負けていると勘違いして頑張ろうとしてしまいます。私自身も同じでした。ついつい人は無理をしがちです。

それはつらい時も楽しい時も同じです。これは生物が持つ大きな特徴なのかもしれません。しかし本当に心が折れてしまわないためにも、早めに治療することは、とても大切なことだと私は思います。