私が聞いていた日曜日のオールナイトニッポンは、午前1 時から5時までの放送ですが、私が住んでいた地域では午前3時までしか放送されていませんでした。毎週欠かさず聞き、特に、午前2時の「ミッドナイトストーリー」のコーナーは録音して、友達に回していたほど生活に欠かせない放送でした。
中学生時代にこれだけ楽しませてもらった放送です。パーソナリティを務めた鶴光さんにはお礼を言いたいと成人してから思うようになりました。それが驚くかな、その思いが実際にかなうことになったのです。後に勤めることになる病院の同僚の夫で地域の観光大使も務める真打の落語家さんが主宰する演芸会で会うことができたのです。
その演芸会にゲストとして招待されていた鶴光さんに、楽屋で会わせていただきました。「中学生のときに、オールナイトニッポンを放送していただいたおかげで、友達と一緒に楽しい時間をたくさん過ごすことができました。ありがとうございました」と伝え、お礼を渡すことができました。
できればかなえたいけれどもおそらく無理であろうと思っていたことが、苦労することもなく、なんとも自然な感じでかないました。非常にうれしかったです。オフィスMのMさん、どうもありがとう。
中学での恋愛
好きな子もできました。きっかけは、中学1年の夏休み前であったと思います。授業として、図書室の使い方を先生に教えてもらっている時のことでした。同じクラスの女の子がわたしにそっと紙切れを渡したのです。
どういうことかさっぱりわからず、その紙片に書いてあったことを読むと、「好きです。つき合ってください」って書いてありました。13歳の7月のことです。
その年齢ではやはり女性のほうが成長しているらしく、私はなんのこっちゃさっぱりわからなかったのです。
後から考えると、この一枚のメモが私の大人への扉を開けたということになります。つき合うといっても、どういう風にするのかもわかりません。夏休みに一度、朝の6時くらいに近くの駅で待ち合わせて会ったくらいで、その後はその子はほかの男の子に気移りしていきました。
そのたった一度のデートの前の日は寝ることができず、ちょうど土曜日ということもあり、中学入学後に聞き出したラジオの深夜放送を一晩中聞いて、一睡もしないまま待ち合わせの場所まで自転車で向かいました。
その時に夜中に流れていたのは、岩崎宏美さんの「ロマンス」でした。「あなたお願いよ。席を立たないで。息がかかるほど、そばに居てほしい。あなたが好きなんです」という歌詞が思春期の私の心に強烈に焼きつきました。
【前回の記事を読む】生まれて初めて購入したカーペンターズの「Only Yesterday」のレコード。この曲を聞くと、あることを思い出す。それが…
【イチオシ記事】あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。
【注目記事】急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。