1 さて、お別れに、何を残そうか……

(5)ぼちぼちかなと思うとき

たとえば、自分に関する基本情報、各種の財産、携帯やパソコンのメールアドレスやID、親戚のこと、友人知人のこと、介護、葬式やお墓、遺言など、様々なことについて考えを整理し、そのときにどのように処置するのかがあらかた分かるように項目だてしたノートで、オレが死んだらまずこれを見ろと家人に伝えておくものである。

生きているうちは、何が何だか分からなくなりつつある各種暗証番号やパスワードの整理にも使える。

情報の整理は「エンディングノート」のようなものでまとめることができるが、あなたが個人管理している雑多な物、もの、モノの整理は手間がかかる。あなたにとってどんなに貴重な物でも、大事な宝物でも、残された人には始末に困るゴミに過ぎない。

話の流れでは、だからあなたが生きているうちに使わないものはドンドン捨てて身軽になっておきましょう、となるのだが、これが結構難しい。何から手をつけていけばいいのか分からないし、いざ捨てようと思うとまだ使えるのでもったいないと思ってしまう。

こうなると、勇気を持って段取りを決めてしまうしかない。ぼちぼちかなと思っている今から、本当にサヨナラまでは、一般的に10年近くはあるから、毎年の大掃除のときにでも、物置や押入れに収納していてここ5年ほど目にしていないものは、問答無用に捨ててしまう。

次の年は、目につくところにはあるけれどもここ5年ほど使っていないものは、問答無用に捨ててしまう。というように、自分に付随するものをそぎ落としていくと、身軽になり若返ったような気にもなるはずである。恥ずかしながら、私もまだやっていないので、取り組まれた方のご感想を拝聴したいものである。

私たちの年齢になると、何かしら持病を持っている人が多い。世の中には様々な病気があるが、持病というと、健康診断で引っかかるメタボも含めて「高血圧」「糖尿病」あたりが、定番というところであろうか。

これらは、大病のもとでもあるので、一歩進んで心臓、脳の血管などの病気を患っている方や、ガンを患ったり、手術をしたという方もいるだろう。また、持病ではなくても関心が高いのが、「認知症」である。皆一様に、なりたくないものの筆頭である。