第二章 ピカデリーホテル
リックはロイに「襲われた人はアラブ人と言っているのか?」と尋ねるとロイが「襲われたのは日本の商社マンで出張中に襲われたらしい。犯人は一言もしゃべらず襲って逃げたと言っているようだ! 実は本人が忙しくて未だ直接会って無いのだが……」と話した。
リックが「東洋人!」と奇妙な声を出して、「他に何か気になる事は無いのか?」とリックが尋ねると「ホテルのガードマンが言うには、一人は東洋人が投げたナイフで頭を打たれ伸びてしまい、もう一人はどうしたのか不明だが撃退したらしい。ガードマンが『突然襲って来た一人を伸ばし、一人を撃退したと話しているのを傍で聞いて驚いた!』と話していた」
リックは「その人の名前は分かっているんだろう」と聞くとロイは、「勿論! ショウ・カツと言うんだ……」
リックは突然黙って考え込み、予想していた答えが返ってきて頭の中でこの件は何処かで繋がっている……と確信した。
ロイは、突然黙り込んだリックに「どうした、気になる点を俺にも話してくれ」と言った。リックは先日来の事件のポイントとショウ・カツに会った事を話した。「素晴らしく良い体格をしたラガーマンでナイスガイだ」と言った。「分かった! 月曜日に連絡を取るから二人でショウ・カツに会いに行こう」とロイが言った。
リックは返事をしながら何かが頭に引っかかっている気がしていたが、何が引っかかっているかは分からなかった。