月曜日、ロイから連絡が有り、「ショウ・カツ氏はドバイに出張の予定が入り木曜日夕方帰社予定との話だったので、一応木曜日夕方四時半に伺う旨のアポを入れた」と言って来た。
リックは昨日聞いた話をクリストファーへ報告すると、「其れは間違いなく繋がるな!」と言い木曜日の面会に期待していると言った。
リックは話をしながらも何かが引っかかっている事で少しイライラして、もう一度ビッグバンホールを事件後に実況見分している鑑識セクションの調査資料を読み返す事にした。
事件の始まりからショウ・カツからの情報収集、鑑識セクションの調査報告書を読んでいる時に、「これだ!!」と気が付いた。
犯人達が居たらしいという二つのテーブルの内ハンドガンを撃った男が居たと思えるテーブル、其処の傍にハンドガンが落ちていたからほぼ間違いないのだが、テーブルと床には血の跡が多数有ったと調査報告書に記載されていた。
リックは、此れは間違いなく犯人の誰かが怪我をして落とした血痕に違いない! 今迄この点を見逃していた、と思い一体誰が何故怪我をしたんだろうと気になりもう一度読み返すと、調査報告書の中に、ハンドガンを『拾得』、血の付いたフォークを『拾得』、と記載されていた。
まさに此れだと確信しフォークで怪我をしたんだと思った。しかしどうしてフォークで怪我をしたんだろう? 食事中に何処かを間違って刺したのか? しかし一方で食事は殆ど頼んでいない、とウエイターの証言が有る。
リックは色んな可能性を過去の経験から当て嵌めようとしたが全く分からなかった。此れを解決する必要があると思い報告書から大事な点を写し、ハンドガンとフォークをスマホで写真に撮って、先ずはショウ・カツ氏に何か気が付かないか聞いて協力願おう、と考えた。