【前回の記事を読む】犯人の男は両手両足を拘束されているが、トイレに行きたくて泣いた。警官は我慢しろ!と怒鳴ったが、人権が何だと後で言われても困ると言い…
第一章 浩、狙われる!
余は、日本の警官は優しいから倒すのは簡単だ! C国の警官ならこうはいかない! 勝手に漏らしてろ!で終わるな!とニヤッと笑った。
パトカーのサイレンが大きく近くに聞こえて来たのに気付き、警官からライターを探し取ると足の結束バンドを焼き切って外した。
直ぐ、余のピストルを抜き取った警官から取り返し、自分のポケットに入れてあったサイレンサーを嵌め、手錠の要を打ち抜き、持ち替えてもう一方も打ち抜くと手錠を放り出し、急いで非常階段を乗り越え裏道路へ飛び出た。
そして小走りに五反田駅の方へ向かった。
その動きをじっと見ていた良は、やはり危険な奴だ! と改めて気付くと余の後をネコのようにスムーズに追いかけた。
余は五反田駅へ着くと上着を脱いでズボンの前を隠し、駅で客待ちのタクシーに乗った。銀座のそばのコリドー街へ向かいガード下で降りて、内幸町へ歩き出した。
内幸町駅近くに着いた余は、そばのモダンで大きいビルに入り、東西興業がワンフロアを借りている最上階へ向かった。エレベーターホール前の受付で、
「西島社長に会いたいので、忙しいと思うが、C国から余が来たと伝えてくれ!」
と言った。
受付の女性は、
「今、西島は打ち合わせ中でちょっと手が離せないのですが……」
と答えると余が、
「打ち合わせ中でも、どうでもいいから、早く余が来たと伝えてくれ!」と強く言った。
受付の女性が少し吃驚しながら電話を取り、会議室へ電話すると会議室で電話を取った男が話を聞いて、
「今、打ち合わせで忙しいのは分かっているだろう! 今は無理だ!」
と言って切ってしまった。