西島は、今何を言っても聞かないだろう、と思い、

「分かりました。一週間でお願いしますよ!」

と言って、奥の扉から社長室へ入って直ぐマンションのキーを手に戻って来た。

「場所は、虎ノ門駅から虎ノ門ヒルズへ行く途中に有る十六階建ての建物で、赤いレンガタイルを貼ってあるマンションですから直ぐ分かります。此れがキーです、最上階1601号室です、一週間ですよ!」

と言って手渡した。

余はキーとお金を受け取りニヤリと笑った。

「分かった! そういえば後で警察が訪ねて来るかも知れん。その時は上手く対処してくれ! 俺のことは何と言っても構わん、じゃあ!」

と言って応接室を出るとガラスの通路を抜けエレベーターホールへ向かい、エレベーターに乗って一階へ降りようと扉が閉まる寸前、

「余さん! 警察? 警察とは一体どういうことですか?」

と西島社長の声が響いていた。

余は外堀通りまで歩いて行き、大通りに面したメンズショップへ入って、地味なスラックス、黒っぽい上着、暖かそうなビジネスコート、ハンチングキャップを買った。

直ぐ隣の眼鏡ショップで濃い色のサングラスを買って出て、袋を下げ少し先の大きいビルへ入った。エントランスホールを真っ直ぐ行き、左先に見えるトイレで用を足すと後ろの個室で着替え始めた。

全てを着替えて、サングラスを付けた余は袋を持って虎ノ門の方へ歩き、虎ノ門ヒルズへ通じる道路際に赤レンガ張りマンションを見つけた。

玄関を入り豪華な木製の大きいドア前に有るセキュリティ台へ部屋番号を打ち込み、鍵を差して回すとドアが開いた。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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