受付の女性が余の顔を覗くと余は怒った顔で、

「早くしろ!」

と怒鳴ったので再度電話し、「ヨ!と言われる方が受付にいらして、ヨが来ていると必ず伝えるように! とのことです」

と話した。暫くして、

「その方を社長室へ案内するように!」と指示が出た。

女性はホッとして、

「ではご案内します!」と言って脇のガラスの通路を何度か曲がって社長応接へ案内し、

「少ししたら参りますので、此方でお待ちください」

と言って下がった。

暫くすると社長室へ通じるドアが開き、西島社長が顔を出した。

「余さん! 此方へは顔を出さない約束だったじゃないですか!」と言った。

余はそんな話には気にもかけず、

「西島! どうしてもお前の力を借りる必要が有るんだ! 都心に確かマンションを三つ持っていると言ってたな! その内の一つを一週間ほど借りたいので手配してくれ!」

と言った。

西島は、

「え!」と言って「どうして急に?」と聞くと

「いいから急いでくれ! それと二十万ほど貸してくれ、後で返す! マンションは確かこの近くの虎ノ門にも有ったように記憶してる……それを貸してくれ!」