第一部 認知症になった母の人生

第4章 いよいよ同居が始まった

あんなに嫌がっていたデイサービス。嬉々として通い、ショートでは大脱走を試みる。ガッツあるな?

大学を取り巻く国の動向も大きく変化1するなか、重要な視点ではないでしょうか?

それは置いておきましょう。ではなぜその施設に「楽しい」と言って通うのでしょうか?

私は母に「毎日通うのも大変だから、たまに休んでもいいんだよ」と話すと面白い答えが返ってきました。

「まもさん、この時代にこんなばあさんを雇ってくれるところなんてそう多くはないよ」

私はこの「雇ってくれる」に関心を持ちました。「そうなのか、母はデイサービスではなく、仕事場として認識」している。だから「あの行きたくない場所にも嬉々としていっているのか」と思いました。

ある事実に自分が受け入れられる「意味を付与する」ことでその決して心地よいとはいえない事実を受け入れようとしているのかなと感じました。妻はこうも解説してくれました。

「ばあばあにとっては、デイサービスのお仲間は仕事仲間。また職員も仕事の同僚。だから毎朝デイサービスに着くとスタッフ全員に『おはよう』と挨拶をして回っているようだ」

デイサービスへの通所に関しては自己の体験談を交えてこんな話も聞きました。