第一部
二人立ち・半同棲生活
母とは違い、自立した女性になりたいとずっと思っていた。
それからいろいろ調べ、大学に入学するには中卒では無理なので、高校卒業と同じ扱いにもなり得る、高卒認定試験を受けるための勉強を始めた。
私の場合、8科目合格しなければいけないという最初の試験は、一発合格とはならなかった。
中学でろくに勉強もしておらず仕方ないとはいえ、どうしようかと考え、父にお願いをして予備校に通わせてもらった。
その後はほぼ実家の生活に戻り、平日は高卒認定試験のための予備校に通い、週末は一樹のアパートへ行く生活へと変わった頃、私はまたアルバイトを始めた。
前回の経験があったことからコンビニエンスストアで週に4日、アルバイトを始めた。
前回の不安もあったが、そこのオーナー夫婦がとても優しい人柄で親切な方だったこともあってか、15歳の時より私の中で少しは何かが成長したのか、そこのアルバイトの時は特にあの恐怖感も襲ってくることはなく、シフト通りに働ける日々に変わっていた。
一回目のアルバイトの時は、先のことを考えると不安しかなかったけれど、二回目の今回は続けられている事実が、少しの自信と希望を持たせてくれた。
アルバイトをしながら予備校にも通い勉強をし、当時の私にとっては大変ではあったけれど、私の日々は充実していた。
一樹とは、たまにファミレスで食事してお喋りしながら、苦手な数学を教えてもらった。
そして19歳で、ようやく高卒認定試験に合格し、私は地元の大学の幼児教育学科に入学することができた。
この時の私は、本当に喜びと希望に満ち溢れていた。