「この半年、何度かメールしたいって思ったんだけど、迷惑かなってしないようにしていていた」と返信があった。

メル友のような関係が復活し、また毎日のように些細なメールを続けていく中で、なんとなく〈また会おう〉という話の流れになり、また母に付き添ってもらい彼に会いに行った。

映画を観に行ったり、食事をしたり、特に気まずくない空気で会えたことが嬉しかった。

そして、その後もメールのやりとりを続け、14歳の夏休みが訪れた。

私は精神的にどんどん追い詰められていた時期に入り、一樹にはとても失礼で、私は最低だと思いながらも、後先も考えずなんとなくほんの軽い気持ちで、一樹に「好き」という軽い告白をした。

「返事は、直接言いたい」と返信があり、私たちは一年前に行ったあの水族館へ行った。

水族館を楽しみ、帰る前に食事をしていたときに返事をくれた。

あとからお互いが話しても笑えてくるのだが、一樹は極度に緊張したらしく、一樹は緊張すると言葉足らずで不器用で、言葉にしようとするとなんて言えばいいのか混乱するタイプだった。「えっと……。ん〜、まぁそういうことかな」という返事をもらい、私は「???」だった。

私の頭上にたくさんの「?」が浮かぶ中、食事を終えお店を出て歩き始めたその時、一樹が私の手を握ってきて手を繋いで歩き始めた。

その瞬間、あの返事は「付き合おう」という意味だったのだと分かった。その時は、特にこれから先のことなんて考えもせず、ある意味なんの不安もなく、初めて男の人と手を繋いで歩いていることが、14歳の私にはとても不思議な気持ちがした日だった。

一樹と交際を始めてすぐの頃だった。

次のデートはプールにしようという話になり、私は初めて男の人とプールに行った。

プールの中で、浮き輪に掴まりながら一樹と肌が密着するたび、とにかくドキドキしていた。

今思うと、あの頃はその程度であれば、りょうくんとの出来事によるフラッシュバックは起きなかった。