毎日、みんなが寝静まった夜に一ページを目安にその日思ったこと、出来事でもなんでもとにかく毎日書き綴った。今思うと信じられないが、その日記は、尽きることなく5年にも及んだ。
紙一面にびっしり書かれた何冊もの日記や詩は、当時の辛い現実をなんとか生き抜くために、私は日記や詩を書いていたのかもしれない。
私の本心、疑問、すべてをそこにぶちまけることで私の心はなんとか保たれ命を繋いでいた。
しかし、それも結局一時的な逃避でしかなく、私にもついに限界が訪れ始めた。母が出掛けたタイミングで、食べ物を求めキッチンへ行くときがあった。
いつもはすぐに立ち去れるように食パンなどだが、その日は他にカップ麺など簡単に食べられる物を探して、ある日部屋でゆっくりと食べていた。〈コソコソと、どうして私はこんな生活をしてるんだろう?〉と、急に虚しさと無力感と孤独が押し寄せ、気づくと箸で左手首を何度も突き刺していた。
血が出るほどではなく、自然と起きた謎の行動であったが、その傷跡を見ると妙にホッとする感覚に襲われた。
こんな感覚は、ある意味独特で初めての体験だった。
その時は、特に理由もなく疑問も持たず、ただ傷跡を見てホッとした気分に浸った。
リストカット、自傷行為など、そういった行動に名前があることなど、当時の私は知らなかったが、その感覚を覚え始め徐々に心は破綻へと向かっていった。
泣く時ももちろん一人ぼっちだ。
夜、泣いていたある日。
これからどうしたらよいのか、すべてに対して結論や希望を見出せずもがいていた。ただ、辛い、苦しい、寂しい。
〈こんなはずじゃなかったのに……〉と突然、元気に学校へ通っていた自分と今の自分の状況のあまりの違いに、絶望し泣き続けた。