2018年9月24日月曜日
2クール目は、取り調べにあたる捜査官が、DEAから無表情ノッポに交替した。
上席が決めるのだろうか。
DEAは、言葉遣いは激しく見た目も怖かったが、ある意味、とてもわかりやすかった。
調書にサインをする時には、僕が、成分名の記載ミスから、てにをはまでを修正してあげると、素直に「ありがとう」と言った。
ビットコインで僕が損を出しているデーターを見て、
「おまえ、損してるやんか」
と笑いものにされた時にも、その後で、「ビットコインて、どうやって買うんや」と聞いてきたため、丁寧に教えてあげた。
しかし、無表情ノッポは、対応がしんどかった。
彼は、薬剤師免許を持っており、頭の良さを自負しているようだったが、それだけに、人を貶める言葉や態度は効果的に使った。
彼自身は、ヘビースモーカー、いやもはや中毒なのではないかと思う。
もちろん、取り調べ室で吸うことはないが、染みついた臭いと震える指先でわかる。あくまで僕の考えだが、ほとんどの指定成分よりも、タバコの方が、はるかに人体に悪影響を与える[ハードドラッグ]だ。
何より、サプリメントは、強要でもしない限り、他人の人体に関わることはないのに比べ、煙草の受動喫煙は、たとえ分煙していても、完全に防ぐことは難しい。
そして何より、中毒性が高く、禁断症状もきつい。彼も、おそらく禁断症状で、あれほど苛ついていたのかもしれないし、彼なりの悩みやストレスもあるためだろうと、今は思えるが、当時は、そんな心の余裕などあるはずもない。
彼らは、僕がいくら恭順の意を述べても、それは一切、記録に残さず、言ってもない言葉や内容を言ったと強弁し、さも僕が、反省の欠片も更生の余地もない悪人の如くに印象操作する調書を叩きつけ、サインを拒むと、罵倒と脅迫と共に、永遠に勾留するかのように告げ、「また来るからな」と吐き捨てる。
逮捕された当初は、まだ、「何かの間違いだから、すぐに解放されるだろう」との思いが心の底にはあったが、ここまで引き延ばされ、尊厳を打ち砕かれると、もう希望を持つことができず、どんどん鬱症状が悪化してきた。
取り調べ中も、ただ俯いて、ほとんど言葉も発せなかった。
それがまた、捜査官の感情を逆なでし、人格を打ち砕かれるほどの罵倒を受けることの繰り返しとなった。
こうした状況の中で、精神が疲弊し麻痺してゆき、してもいないことを自白してしまうのだろうなと、捜査官の罵倒を聞きながら、心の中で、[自省録]の言葉をマントラのように繰り返していた。
【前回の記事を読む】まさかの再逮捕!?―嫌疑不十分により釈放。「解放される、これで家に帰れる」と出口に向かったが、「残念だったね~」と……
【イチオシ記事】ホテルの出口から見知らぬ女と一緒に出てくる夫を目撃してしまう。悔しさがこみ上げる。許せない。裏切られた。離婚しよう。