4│ 国際DOHaD学会

International Congress of Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)

学会本部:DOHaD Society, Southampton General Hospital, Southampton, England

1│草創期

DOHaDのホームページより、学会の草創期から現在に至る足跡を追ってみます。

DOHaD は、1990年代に、サウザンプトン(イングランド)、オークランド(ニュージーランド)、アデラード(オーストラリア)の研究者たちの間で定期的に開かれていたワークショップから発展しました。

1989年、胎児新生児研究の泰斗ドウズ(Geoffrey Dawes)によって、イタリアのラ・スペツィアで新生児の研究会が開催されました。ここでバーカーが、ハートフォードシャーの研究結果について報告しました。出生体重と50~60年後の心血管疾患について関連があるとする主張は、会場の生理学者の誰一人、理解できませんでした。しかし、バーカーの度重なる報告とドウズ教授の理解により、「何か出生体重と成人病には、興味ある関連があるかもしれない」という雰囲気が次第に醸成されていきました。その後、インフォーマルな集会やワークショップが、イギリス、オーストラリア、ジャマイカ、カナダ、アメリカなどで継続して開催されました。


1│ 中尾光善『驚異のエピジェネティクス』羊土社,2014,p31

2│ 久保田健夫「エピジェネティクスとDOHaD」板橋家頭夫,他『DOHaD その基礎と臨床』金原出版,2008,p83-89

3│ 鵜木元香,他『もっとよくわかる!エピジェネティクス』羊土社,2020,p12–17

4│ 井村裕夫編『医と人間』岩波書店,2015,p92-109

  

【前回の記事を読む】直訳すると「健康と病気の発達起源説」。日本語では、適切なインパクトのある学術用語が見つからないDOHaD。

   

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