1-5-2

 

【訳】

嵐に吹き散った三室(みむろ)の山のもみじ葉は竜田(たつた)の川に掛けられた錦のようだ

【歌人略歴】

能因法師(のういんほうし) 988-1050年。平安時代中期の僧侶・歌人。甲斐国や陸奥などを旅し、多くの和歌を残した。『後拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に67首が入集している。中古三十六歌仙の一人。

1-5-3

 

【訳】

神代の昔から聞いたこともない

紅葉が散りばめられて竜田川がからくれないに鮮やかに染まっている

【歌人略歴】

在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん) 825-880年。平安時代初期の貴族・歌人。平城天皇の孫。伊勢物語は在原業平の物語であるとされている。『古今和歌集』の30首をはじめ、勅撰和歌集に87首が入集している。六歌仙、三十六歌仙の一人。