1)このような中にあって、2022年、逝去された上智大学名誉教授の松本栄二先生は、どこまでも実践者でありたいと願いまたそうであったように思う。長野の山奥にグループホームを作り、その運営社会福祉法人の理事長を全うされた。
また残念ながら直接お会いしたことはないが、前日本社会福祉学会の木原活信先生は、その理論が現場実践と共鳴しているように感じている。木原活信 「『弱さ』の向こうにあるもの イエスの姿と福祉のこころ」 いのちのことば社 初版2015年。「福祉原理の根源としての「コンパッション」の思想と哲学」 日本社会福祉学会 社会福祉学 第46巻2号(2005年)では支援の本質について問うている。「腸」に感慨を持った。
また国際医療福祉大学の元医療福祉学部長で、全国社会福祉協議会や全国社老人クラブ連合会の元事務局長であった鈴木五郎先生は、現場をとても大切にされる方で、私もずいぶん薫陶を受けた。
2)アメリカの「校舎も校地もない」ミネルヴァ大学に関心が高まっている。ミネルヴァ大学の授業はまさにフィールドワークがその主体である。また労働と学習とが一体となった「coop(コープ)」制度も注目されている。
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