第一部 認知症になった母の人生
第4章 いよいよ同居が始まった
さあ~始まる。
同居はそのパーティの翌日からすぐに開始!! 妻の妹(次女)は母を連れてまた元の家に戻るといっていたそうです。「ばあばあを置いていったら皆さんに迷惑」と。
しかしそんなことを妻が受け入れるはずもありません。
でもこの同居、母はどうして受け入れたのだろうかと思うことがあります。実はまだ認知症ではなかったころ、「娘との同居は絶対ない」と強く語っていました。同居どころか、我が家で一泊することにも躊躇(ちゅうちょ)というか抵抗もありました。
しかし認知症の進行は当然、自分でも不安が大きかったのでしょう。娘には「こっちに来て一緒に住んでもらえないか」と取引をしましたが、「ダメ」。ということもありましたが、その結果一人で頑張ることは「やめた」。多分、大きな抵抗感もなく、我が家での生活を受け入れたのでしょう。
まだ母が元気なころ、妻は同居ではなく近居を考え、母の近くの団地やマンションなどの物件を随分探していました。しかし、「今の団地での生活環境を変えることのリスク」を考慮して引っ越しはしませんでした。長女である妻はまさに母を支える大黒柱としてずいぶん動いていたのだなとつくづく思います。