もちろん、短時間で全てが見通せるわけでもないので、その現場の人達に自分の思ったこと、感じたことを伝えて誤解を取り除き、お互いの深い理解を得る必要がある。
このような短時間の問題発見能力は、改善活動だけでなく日々の「朝一番の現場巡回」などにも応用でき、その毎日の積み重ねがだんだんと「気づき力」を鍛えることになる。
このように問題点も1つひとつの事象、状況が「問題なし」であっても、昨日、先月からの変化が問題だったりする場合が多く、ダイナミックな対象も相手にしていることを認識する必要がある。
2 まず「問題点を見つけやすくする」行動をしよう
改善の第2ステップは、「問題点を見つけやすくする」こと。
第1ステップでは、「見えている問題点、見えている状況を問題と認識する」ことを話した。ここでは、「一目では見え難いこと、または見えない、気づくことができない問題点」の話。
TPSや、いろいろな改善活動のやり方を整理してみるとどうだろうか?
ロケーションの整備、在庫の層別、在庫の低減、後工程引き取り、後補充生産、小ロット化、出来高管理表、アンドン、生産進捗かんばんポスト、これらは何のためにやっていることだろうか?
さらには5Sも何のためになるのかを考えてみると、それぞれが改善前の道具、方法であり、これらの目的が「見え難かった問題点、見えなかった問題点を見えるようにすること」となる。また、見え始めてきた小さな兆候に気づき、感じる力を持ち、未来の変化を想像することが大切となる。
【前回の記事を読む】【組織改善のヒント】 特定の人のみが持つ能力は、明文化することで初めて「技術」として継承可能な財産になる。
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