35万年ほど前、ホモ・サピエンスと同じくらいの脳を持つネアンデルタール人が現れた。頭蓋骨の底には発声に必要な神経の束を通す穴があり、多様な発声ができたと想定されている。また、ネアンデルタール人は、音楽、宗教、言語を持っていた。
その後、19万5000年前ごろに、ホモ・サピエンスが登場した。ホモ・サピエンスは、7万年前から5万年前にアフリカから出て世界中へ広がった。
手指は器用
ヒトの手指は、後で見るように、神経が行き届いている。器用である。また、ここでご自分の手指の構造を観察されたい。ヒトの手には5本の指があり、指は3つの関節で動く。そして、親指は、ほかの指と独立してほかの指と対面して動作し、物をつかんだりできる。この対面動作が、ヒトの手指の特徴である。
米満弘之によると、手指ができる運動は、以下のように分類できる[米満弘之. (1973). 指の機能. 精密機械、40巻1号. 参照先:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1933/40/468/40_468_18/_pdf]。
⃝握る(grip)
⃝つまむ(pinch):指先(tip)、指腹(pulp)、側面(lateral)、ひっかけ(hook)、指間はさみ(finger)
⃝ねじる(twist)
⃝押す(push)
⃝すくう(scoop)
ヒトは、これらを組み合わせて日常生活を送っている。