第4章 母と共に父母の実家訪問
父の実家と儒教の風習
縁側で皆と楽しくお話をしていたのですが、ちょうど近所の伯父が小さな門から庭に入ってきました。そうしたら今まで座ってお話ししていた従姉妹たちが皆、急に立ち上がって「クナボジ、アッチン、チャプサスンニカ?」(伯父様、朝食、召し上がりましたか?)と、立って挨拶をしました。
私はびっくりしましたが、皆と同じく立って挨拶しました。伯父様が「オーニヤ」(食べたよ)と返事をすると、皆はまた座り、お話を続けるのです。二十、三十分後、ほかの目上の方が庭に入ってくると、また同じように「お食事召し上がりましたか?」とご機嫌伺いをします。立ったり座ったり、本当にびっくりです。
そこで何回座ったり立ったりしたか、数え切れないくらいです。これこそ韓国儒教の風習なのですね。足が痛くなり大変でした。しかしこのような現実を体験できたことを喜んでいます。
昔母が生きている時は、誰かお客さんが来たらそんなに親しくなくても食事を出していました。礼儀として必ず食事を出すのが韓国の風習だと聞いたことがあります。ただ「伯父様お食事召し上がりましたか?」と聞くだけでも、立ってご挨拶します。
日本も江戸時代くらいの時、誰か家に来ると、ただ飯を食べさせるのが普通だった時代があったようですが。人間食べることが大切ですよね。