3.中央防災会議、地震の予知・予測の議論に終止符!

東日本大震災の苦い経験を経て、中央防災会議では、南海トラフで発生する巨大地震の発生時期や規模を予測できるかどうかを調べるために、2012年7月「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」(座長:山岡耕春名古屋大学教授)を設置。

調査部会では2013年5月、南海トラフ巨大地震について「規模や発生時期に関する確度の高い予測は難しい」との報告をまとめ、公表した。

さらに、前回の検討から4年を経過したことから、2016 年9月「同調査部会」(座長:山岡耕春名古屋大学大学院環境学研究科・教授)を再度設置。

調査部会は2017年8月の報告書で「現時点においては、地震の発生時期や場所・規模を精度高く予測する科学的に確立された手法はなく、大規模地震対策特別措置法が前提としている確度の高い地震の予測はできないのが実情である。

このことは、東海地域に限定した場合においても同じである。」として地震の予知・予測の議論に終止符を打ったとされた。


(1)(公社)日本地震学会「地震学の今を問う」(東北地方太平洋沖地震対応臨時委員会報告)2012年5月 6~7頁

(2)(公社)日本地震学会、同上書、76 ~ 80頁

(3)(公社)日本地震学会、同上書、102頁

【前回の記事を読む】3.11直後に開催された特別シンポジウム「地震学の今を問う」。侃侃諤諤の議論に、地震予知体制が再び問われる。

次回更新は10月15日(日)、8時の予定です。

 

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