第1章 渚にて>

私は木曜の午後遅くにベンチューラ カウンティの判事の前に立った。そこにはサイエンス誌のジョン・コーエンが待っており、オレンジ色の囚人服を着て、手足を鎖で繋がれた私の写真を撮る申請書を出していた。有難いことに判事はそれを拒否した。

それにも関わらず、ジョン・コーエンはもしマウス白血病ウイルスについて同様に研究するなら同じ運命が待っているというメッセージをすべての科学者に送ったのだ。

私は逮捕されるかもしれないという恐怖心を抱えたまま、ネバダに戻らされ、そこで犯罪容疑者顔写真を撮られ、それはジョン・コーエンによりサイエンス誌に醜聞記事として掲載された。

これは科学界のみならず更に広い社会で私を貶める目的でなされた。サイエンス誌はその目的を達成し、さらに攻撃的に論文を撤回させようとした。こうして私の科学者としてのキャリアは破壊された。

私の老後のための預金は? 無くなった。私たちの家は? 無くなった。

私たちは不法行為による市民権の侵害に対する訴えとアメリカのすべての町に行き渡ったこの腐敗を終わらせるための訴えのための弁護士費用にお金を使った。

あれだけのお金を使っても司法による公正な裁きを受けることはできず、私は破産に追い込まれた。それはお金が無かったからではない。私の弁護士は、もし私が法廷で闘おうとすれば「新しい」証拠が見つかり、多分私はネバダの刑務所で一生過ごすことになり、不可思議な状況で死ぬ可能性が高いと言う。