文子は何を質問していいのかわからず、「先生、何もかもお任せいたします」と応えた。

瑠璃は文子のそんな様子を見て、「お母さん、大丈夫よ」とうっかりしゃべってしまった。

二人は診察室を出て、八階の病室に戻った。「あーそうそう、大事なこと言い忘れていたわ。お母さん、今日四時ごろ、真一さんが病院にくることになっているの」

「あらそうなの。そんなに気を遣わなくてもいいのに……」

「真一さん、高瀬先生にご挨拶したいのよ。今日の午後の講義三時過ぎに終わるそうなので、帰りに立寄りたいと言っていたわ」と何気なく瑠璃は文子に伝えた。

「それならいいけど……」

それから二人で他愛もない話をしている間に、昼食が運ばれてきた。

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